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1.曲亭馬琴の手紙
■□在庫の中から・その①・馬琴の書状■□
曲亭馬琴書状 315,000円
鈴木義惣治・同勘右衛門宛(天保六年)七月八日付 極長文 幅装 箱付
(封)東都神田明神下にて 瀧沢篁民 曲亭馬琴
天保六未
六月十七日御状の返事 閏月八日報
(本文)六月十七日之芳翰七月廿二日ニ致参着。忝致拝見候。
先以残暑之砌、貴地被成御腰弥御安全被成御起居、珍重ニ奉存候。
随而藪屋無異ニ罷在候。御休意可被下候。
然者先便、倅琴嶺死去之始末、年来の御旧識ニテ
病中具之あらまし為御知為御遣候処、……
といってもなんのことだか判りませんよね。これは南総里見八犬伝でしられる滝沢馬琴が息子の琴嶺に先立たれ、その際に香典をいただいた人へ出したお礼状です。写真上段がそれで、長文を二段に分けて幅に装丁しています。宛先の鈴木さんとは浅からぬつきあいだったようで、馬琴さんは、ながながと息子の死をくやみ、最近は自分も老体で腰が痛んで起居もなまならないとか、奥さんも病気なので、今は長女の家に出養生に行かせていることとか、近況をつぶさに報せています。馬琴の伝記資料としても、なかなか良い書状です。
ところでこの封筒(封 写真下段)を見ると馬琴さんは東都神田明神下、つまり銭形平次のご近所に住んでいたのですね。神保町とは眼と鼻の先、わが“じんぼう”エリアのお方でした。そうだったのか。これは知らなかった。そしてもうひとつ、もう一度封筒の名前に気をつけてください。「瀧沢篁民 曲亭馬琴」となっているでしょう。今では「滝沢馬琴」と言い習わしていますが、これはペンネームと本名をごっちゃにした、誤った呼び方なんですね。つまり本来は曲亭馬琴、もしくは滝沢篁民(これは号。或は本名の「滝沢興邦→後には滝沢解」)という風に言わなくちゃいけないのでした。
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