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114.みどりのはた
「歌集 緑の旗」 西村陽吉 作歌荘
初版 孔版刷 毛筆扉字署名入
一枚刷謹呈文付 昭和14年3月1日 47,250円
石川啄木を見出した東雲堂の二代目の社主であり、自らが前衛的な生活派の歌人でもあった西村陽吉の、昭和6年から12年に至る自由律形式の歌をまとめた最後の歌集です。
表題ともなった「緑の旗! 五月は一斉に新しい緑の旗を掲げる 私は自然のデモに敬禮する」にはじまり、最後の歌は「永遠のたつたひとときのいまにゐて眼をあいて見るあたらしい緑」と、「緑」にはじまり「緑」で終わっています。そして途中かなり先鋭的なアナーキーな歌を交えながら、歌の形式が様々に変転し最後に定型に復帰しているのも興味深く見えます。
生活派短歌、アナーキズム短歌の第一線にいながら、現実の社会では出版社主として成功者の地位にいる矛盾からでしょうか、西村は昭和10年には成長の家に入信し、日本主義を唱えるようになります。この歌集に収録される歌の変遷は彼の実生活の軌跡とも一致するようです。
ちなみに『都市居住者』(大5)『街路樹』(大8)『第一の街』(大13)など、陽吉の初期の歌集は比較的容易に見つけることができますが、この最後の歌集は珍しい。初めて見ました。
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歌集緑の旗 西村陽吉 作歌荘 1冊 昭14 初版 孔版刷 墨扉字署名入 一枚刷謹呈文付 東雲堂の社主で、自ら前衛的な生活派の歌人でもあった西村陽吉の、 昭和6年から12年に至る自由律形式の歌をまとめた最後の歌集。 |
47,250円 |
2 |
短歌集動かれる青ぞら 児山敬一 表現社 1冊 昭9 初版 函付 背傷 荒木(栄)宛献呈ペン歌署名入 哲学者・児山の自由律短歌集。佐々木信綱序、自序「短歌の自覚的性質」を収録。 |
21,000円 |
3 |
歌集翼 大悟法利雄 新声閣 1冊 昭17 初版 函付 墨歌署名入 「勝ち抜きて大き平和の来る日をわれ必ずや此の眼もて見む」 |
5,250円 |
4 |
歌集献身 塚本邦雄 湯川書房 1冊 平6 初版 カバー付 墨識語署名入 「世の終りなど見極めてすみやかにわれを過ぎゆく苦艾派 (チェルノブイリアン)」 |
2,625円 |
5 |
歌集行路 島田修二 短歌研究社 1冊 平12 初版 カバー帯付 墨署名歌入 「海見ゆる家にあり終し日々とほく終生を照らす月仰ぐかも」 |
3,990円 |
6 |
あかほんや 大曲省三編 阿伽梵書屋 4揃 限300 和装 1号(昭和5年1月20日)〜4号(昭和6年5月1日) 「赤本」の装丁を模した江戸文物研究誌。 |
12,600円 |
7 |
歌集とよたま 鹿児島寿蔵 各冊分売 新星書房 1冊 昭38 限定特製本 夫婦函少ヤケ擦有 墨署名歌入 〓ゆく船をひとつだに見ず飛ぶ鳥を一つだに見ず黒き潮賀比 〓日に焦げしあけびのつるが揺れて居る其のむかふには雲を産む山 |
8,400円 |
8 |
歌集生活を歌ふ 渡辺順三 紅玉堂書店 1冊 昭5 初版 献呈ペン署名入 |
12,600円 |
9 |
枡冨照子歌集 2冊 『月鳳里の歌』竹柏会 初版 函付(昭和16年4月11日) 『稔』発行所 非売品 夫婦函付(昭和18年12月31日) |
6,300円 |
10 |
絵はがき 一括 1冊 新京10枚/近衛歩兵第二連隊(大8)7枚/軍隊生活12枚/ 陸軍士官学校(大5)5枚/第36回陸軍記念日絵葉書(封筒入)3枚/その他35枚 |
31,500円 |
11 |
韮菁集 三種 土屋文明 青磁社 1冊 昭20年3月29日(後記のみ 刊記無)版/昭和21年7月5日 札幌青磁社 カバー付/昭和21年7月15日 青磁社(東京)。 いわゆる「戦中版」と称される20年3月の版には21年版には含まれない多くの戦争関連の歌を収録。 |
84,000円 |
12 |
沼浪美代子歌集 3冊 ひと年・山彦・塵にまみれて 明治41年、沼波瓊音を父とし、国木田独歩を名付親とし東京本郷に 生れた沼波美代子の歌集。『歌帖 ひと年』和紙刷袋綴、 61頁135首収録 天江富弥序歌 昭和16年の刊行か。『歌集 山彦』(鈴木明刊 非売品 孔版刷 |
52,500円 |
13 |
歌集第一の街 西村陽吉 紅玉堂書店 1冊 大13 初版 函付 少擦汚蔵印有 |
3,150円 |
14 |
歌集生活を歌ふ 渡辺順三 紅玉堂書店 1冊 昭2 初版 少傷ミ背下部少欠蔵印有 |
5,250円 |
15 |
東洋の花 永松浅造 学芸社 1冊 昭9 初版 カバー背大傷有 稀代の相場師といわれた伊東ハンニの半生と、彼の主張する新東洋主義論のあらましを収録。尚、『東洋の花』とは別に『新東洋主義論』 (新東洋社 再版 昭和9年6月25日)・『新東洋主義の思想と 信仰』(新東洋社 再版 昭和17年12月 |
39,900円 |
16 |
書物往来 各冊分売 従吾所好社 1冊 大13/5月創刊号(大14重)・7月第3冊(大14再)・9月10月特別号第4冊・11月第5冊 大14/1月第6冊・2月3月合併逸文号第7冊・4月第8冊・大15/1月第15冊 |
2,625円 |
17 |
旅之歌 間島弟彦 1冊 函少擦有 大正9年8月序 (奥付無) 間島冬道の子。父と同じく銀行家(三井銀行常務)で歌人。 おそらく生前唯一の歌集。 |
8,400円 |
18 |
歌集くさぐさの歌 吉田正俊 白玉書房 1冊 昭39 アララギ新集第二編 初版 函帯背ヤケ有 |
1,260円 |
19 |
詩歌集つゆ艸 みずほのや(太田水穂) 文友館 1冊 明35 初版 背少傷有 歌と新体詩を交えた著者の第一作品集。この後に長野師範の同級生、 島木赤彦(山百合)と合著で詩歌集『山上湖上』(明38)を刊行。 |
84,000円 |
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種蒔く人 小牧近江 日本近代文学研究所 1冊 昭36 復刻版 帙少ヤケ有 図書館印有 第一次(土崎版)1巻1〜3号(大10/2〜4月) 再刊1年1巻1号〜3年5巻2号(大10/10〜12/8月) 種蒔き雑記(大13/1月)別冊・復刻版案内・附録共 |
15,750円 |

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