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古本倶楽部287号 お喋りカタログ13 |
8.春峯庵事件の図録□■在庫の中からその⑧春峯庵事件の図録□■
春峯庵什襲浮世絵入札展観図録 東京美術倶楽部 送り函付 昭9 99,750円 上記には別刷の大曲駒村の解説「春峯庵什襲肉筆浮世絵研芳」及び、牛山充の解説「秘寶出世」の二冊が付されています。大判厚冊の美術品入札目録ですが、実はこれは戦前の浮世絵贋作事件として、つとに著名な春峯庵事件の売立カタログ。 昭和9年4月26日付の朝日新聞に、浮世絵派の大家たちの描いた数々の肉筆画が「春峯庵」という旧大名家の華族の蔵から発見されたことを発表。それまでほとんど肉筆画が残っていないとされていた写楽はじめ、歌麿、北斎、岩佐又兵衛など等、大物の絵が忽然と姿を現しました。 そしてこのコレクションを中心に、翌5月には東京美術倶楽部にて大々的な入札会が行われます。鑑定した東大の笹川臨風博士も新聞紙上で大絶賛。そのためでもないでしょうが、多くの作品に予約が入ったそうです。しかしながらこの入札会の直後、真贋への疑問の声があがりはじめ、読売はじめ各紙がこれを報道。おって5月23日の朝日紙上でも「春峯庵」という華族は架空で作品もすべて贋作、関係者は取り調べを受けていることを公表。 その後の裁判で取り纏め役だった画商の金子清次、贋作を作った矢田家の兄弟二人が実刑判決を受けます。また鑑定した臨風も有罪にこそなりませんでしたが、専門家としての地位を失いました。 その売立の際に作られたカタログが、この『春峯庵什襲浮世絵入札展観図録』。これの他に『春峯庵華寶集』というほぼ同じ内容の、さらに大判の立派な図録もあります。写真版で見る限り結構よい出来の絵にみえるのですが、ともかくここに掲載されている肉筆浮世絵はすべて贋物という、ちょっとヒネった意味あいで珍重されているのです。 関連商品一覧
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2023年6月 5日 月曜日 | 48664214 リクエスト (2005年9月25日 日曜日 より) |